再びメーカーの看板の下へ

音楽大学を離れることになったとき、
いちばん最初に声をかけて下さったのが、
国産ピアノメーカー子会社の店長さんでした。

私は、音大の仕事には感謝していましたが、
離れることになるのであれば
これまではできなかったような仕事にも
触れてみたいという思いもあり、
頂いたお話をお受けすることにしました。

お陰様で、
店内の調律では色々な機種の新品に
触れることができましたし、
掛川で1カ月のメーカー研修や、
豪華客船での調律、
他の音大へ単発の調律、
また事務的なことも含めて、
今までとは違う様々な経験を
させて頂きました。

また、「大人数」のチームというのも
自分にとっては新鮮で、
それまで年齢の離れた3~4人の会社だったのが
60人くらいの組織になり、
また同世代の調律師も多くいて、
正直なところ、とても楽しい日々でした。

そして1年半が過ぎたころ、
突然の連絡が入り、
私がかねてより好きだった
ヨーロッパピアノメーカーの特約店の方から
お声掛けを頂きました。

その会社は、自分からすると
「高嶺の花」というか、
憧れはあったものの、
まさかそこからお話を頂けるなどとは
考えたこともなく・・・

ただ、自分の好きなメーカーのピアノに
多く触れられる環境というのは
非常に魅力的でした。

と同時に、
せっかく視野の広い環境に出てこられたのに、
今はとても充実感があって
楽しく過ごせているのに、
それを手放す必要があるのか?
という思いも、いくらかありました。

結局、
お誘いを頂いた時点では
すぐに動けなかった事情もあり、
現時点ではお受けできませんという旨を
お伝えしたのですが、
先方は長い目で見て下さっていて、
私は国産メーカーのお店を3年で離れ、
また新たな環境に身を移すことになります。

3年間という短い間でしたが、
本当に楽しく過ごさせて頂き、
このお店でお世話になりました方々には
感謝しかありません。

他部門ですが営業の先輩にも
時折食事に連れて行って下さる方がいて、
自分の知らないお話を伺えたことは
大変勉強になりました。

もちろん調律の先輩方にも
それはそれはお世話になりまして、
今でも連絡や相談をさせて頂いたり、
現場でバッタリお会いしたら
当時の会話の続きからスタートしたり、
ご連絡下さって食事したり、
お家に呼んで下さったり・・・と
ありがたくお付き合いを
続けさせて頂いております。

「場所が変わっても人は切れない」
という言葉は本当にありがたかったです。

そんな皆様と、社内旅行ではないですが、
ちょっと出掛けたことがありまして、
確か台風一過だったような記憶がありますが、
帰りがけに寄った
「みしまスカイウォーク」

絶景でした。

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